【作詞講座vol.8】渡辺の添削をしよう

みなさんお久しぶりです。さて前回より1年以上間が空いてしまいましたが
作曲講座を続けていこうかと思います。

今回は生贄として辞めたばかりの渡辺に歌詞をかいてもらい添削してみましょう。


※一番のモテ期を虹組に捧げしまった渡辺氏

実はもう1年以上前に書いてもらっていたのですが
本人も絶対忘れていると思うので客観的に見れるので逆に良しとしましょう。

秋のメトロノーム

作詞・渡辺柊

ふいに目蓋を拭う
心地よい秋風
ボタンを一つ閉めたけど
心は冷えたままで

“さよなら”なんて
僕から言えたら
正解だったのかな?

秋のメトロノーム
寂しさ埋めるように
木々は色づいて
恋はリタルダント
僕はたった一人で
秋風に消えていく

日の入りが早さが
思い出を呼び覚ます
過去の愛にすがるように
そっと瞳を閉じて

約束なんて
いつかは消えゆく
紅い葉のように

心モノクローム
思い焦がれても
愛は色づかない
あの日のリグレット
記憶と引き換えに
傷痕は癒えていく

秋のメトロノーム
隙間を埋めるように
頬は色づいて
僕はアラルガント
例えたった一人でも
ただ前に歩き出す

こんな感じです。まぁきっと失恋の歌詞なんでしょうね。
まぁ正直思ったよりマトモな気もしますが、添削を開始してみましょう。
まず私が思ったのが

①カタカナが多すぎる。

悪いことではないのですが、メトロノーム、リタルダンド、リグレット、アラルガンド
タイトルでも全然使用できそうなおしゃれ横文字が大量に出てきます。

これではせっかくのタイトルに出てくる「メトロノーム」のインパクトが完全に消えています。

メトロノームは一般的には「同じ感覚で音を鳴らす」という認識
リタルダンド、アラルガンド「だんだん遅く」という意味。

季節は同じ時間で普通に変わっていくけど私の気持ちはだんだんゆっくりになっていくのね…

という時間経過に関する何かを訴えたかったのでしょう。

まぁ正直何が言いたいのかさっぱりわかりませんけど、
読者の想像に委ねる投げっぱなし走法は悪くない気がします。

この時間経過的な感じを採用するなら
メトロノーム、リタルダンドの二つで十分でしょう。

リグレットとアラルガンドはごめんなさい。またどこかで。

アラルガンドに関してはおそらく渡辺は「音楽用語 おしゃれ」とかで検索かけたんでしょうね。
分かり安すぎます。

②人物描写があまい。

タイトルからして80年代のアイドルの歌詞を男性主人公にする…という、まぁ私がよくやる手法だとは思うのですが、それにしては主人公が重たすぎます。

「過去の愛にすがる」ってなんなんですかね。

そんなもんはTHE虎舞竜とかにまかせとけばいいんです。

人物描写として主人公だけしか出てこないのも気になります。おそらく共感のためにわざと減らしたのでしょうが、さよならを相手から告げたのはわかりますけどさすがに少なすぎます。
とりあえず少しだけでも出すべきかと。

まぁこんなもんですかね。正直思ったよりおかはマトモだったので、
私の批評もただの因縁にしか見えないのですが…

それでは私が添削してみた歌詞を見てみましょう。

メトロノームの秋

作詞:田中守

ふいにまぶた掠める
やわらかい風
僕はボタンひとつ締めた
心がまだ痛くて

“さよなら”だけは
僕から言えたら
正解だったのかな?

秋のメトロノーム
寂しさ埋めるように
色づく街路樹
恋はメトロノーム
僕はたった一人で
その落ち葉見つめてる

夕暮れが早くなって
また君の事思い出す
川べりに座って
無口な人だった

またねなんて
気の利いた言葉も
言わなかったよね

秋のリタルダンド
心ゆっくりずつだけど
進みたいと思う
恋はリタルダンド
今は嫌いなオレンジ色も
きっといつか好きになる

秋のメトロノーム
寂しさ埋めるように
色づく街路樹
恋はメトロノーム
僕はたった一人で
その落ち葉見つめてる

こんな感じですかね。
10分で書きましたが渡辺のよりかはマシでしょう。

とりあえず注意点としては「秋」「メトロノーム」も言葉としては浸透しすぎてるので
「秋のメトロノーム」じゃ聞いた側から忘れます。

なのでタイトルだけは「メトロノームの秋」に変えてみました。

正直私の琴線には全く響かないタイトルですがまだマシかなと。

そして二番で川べりに座って無口な人だったと相手の情報を少し足してみました。
まぁ年がら年中しゃべってる男でも黙る時はあるでしょうし。
読者は勝手に「あーわかるぅー」と補完してくれるでしょう。
私は無口な男とは付き合えませんが。

この手の歌詞で最後の最後に前向きになるというのはよくあるのですが、そうすると
割と壮大になりすぎるって所もあるんですよね。ダメではないですが私は歌詞のところどころに

♪その落ち葉見つめてる…

季節はどんどん赤く色づいて優しくなるのに、私の今の気持ちはこの落ち葉のように捨てられた存在なのかしら

♪またねなんて気の利いた言葉も言わなかった…

おそらく別れ話の状況ですかね。嫌いで別れることになったのではないかまた友達として会いたい気持ちはあったのそれすらもできなかった

♪今は嫌いなオレンジ色もきっといつか好きなる…

彼が夕焼けが好きだったのか本当にいつもオレンジ色の服を着てたのかは知りませんが、
とにかく彼を思いだすオレンジは今は嫌い(この嫌いの解釈で僕が君に冷めたのを察して相手が別れ話をもってきたのか、すれ違いが続いてお互いの気持ちが冷めたのかとかいろいろ読者に考えさせられる)

等を追加してもう少しだけストーリーに厚みを持たせてみました。
こうするともう少しストーリーに対して「なんで別れたんだろう?」とか想像の余地が出てくるので心に残ってくれるのではないかな?と。

それでは作詞講座はこんな感じです。

次回からはいよいよ作曲ですYO!

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