【作詞講座vol.3】タイトルを考えよう③

みなさんこんにちは。田中守です。

虹組ファイツのファンの皆さんはお気づきかと思いますが、
私の楽曲はパロディが多いです。
というわけで今回はパロディタイトルについてのお勉強です。

私は幼少の頃から父親の影響で
60年代以降の洋楽やジャズ等を子守唄変わりに聞かされていました。
母親は工藤静香と80年代のV系(当時はお化粧系と呼んでたらしいですが)が好きだったので
父親とは全く音楽の趣味が合わず、家族全員でカラオケ等行こうものならデンモクが

Neil Sedaka Calendar Girl
工藤静香 黄砂に吹かれて
宝塚歌劇団 ザ・レビュー99
守谷香 レディ・クレスト~扉を開けて
The Beatles Hey Jude

BY SEXSIAL 幕末純情伝
宝塚歌劇団 アイーダの信念
国実百合 青い制服

こんな感じで、しっちゃかめっちゃかな状況によくなったものです。

洋楽信者だった父親は当然邦楽を見下しまくっていたのですが、
唯一大瀧詠一さんだけは好きでした。

大瀧さんが父以上の洋楽好きだったので「分かる人には分かる」というオマージュ作品を作りまくっていたんですよね。
そこが父親の琴線に触れまくったらしく、よく彼の元ネタを聞かせてくれたものです。

そもそも彼の一番のヒット曲「幸せな結末」が、元々在籍していたバンド「はっぴいえんど」の邦訳ですからね。
しかも元々主題歌のオファーを受けていたドラマのタイトルが彼の最大のヒットアルバム「A LONG VACATION」と同じ「ロング・バケーション」ですしね。
(結局難航してラブジェネレーションの主題歌になったそうですが)
それだけでニヤリとしてしまう仕様です。


※そもそもジャケットが自身のファーストアルバム(1972年発売)のオマージュ。ここまでくると返す言葉もありません。

彼のオマージュ作品の元ネタを何点かピックアップしてみました。

君は天然色(大瀧詠一)

The Pixies Three – Cold Cold Winter

うなずきマーチ(うなずきトリオ)

The Rivingtons – Papa Oom Mow Mow

風立ちぬ(松田聖子)

Jimmy Clanton – Venus In Blue Jeans
Venus

等々…。
気になる方は是非オマージュ作品の方も聞いてみてください。
「風立ちぬ」に関しては60年代の中でも「Venus」が入っている曲をパロディするという荒業まで披露しています。

その事実にいたく感動した守少年は「いつかこんな事をしたい!」良くない方向へハッスルしてしまい

ホワイトデー・キッス

元ネタ→バレンタイン・キッス(国生さゆり) テレフォン・キッス(若林志穂)

リトル☆グレイ

元ネタ→ROBOT(榊原郁恵) 私はロボット(石丸奈津子) ロボ・キッス(W)

の二曲を作ったのでした。

さて本題に入りますが、

パロディタイトルというのは曲に限らず、小説やドラマ等でも本当によく使われています。

「笑点」が三浦綾子の「氷点」のパロディのタイトルというは皆さんご存じの通りですし
オカマはみんな大好き「Wの悲劇」もエラリー・クイーンの「Xの悲劇」のパロディのタイトルです。
夏樹静子先生に関しては「そして誰いなくなった」という作品もあるので
推理小説界の大瀧詠一と呼んでも問題ないかと思います。

音楽に関してはどうでしょうか。

アイドル以外の歌手は往年のヒット曲をそのままつけてしまうパターンが多いように思います。

Mr.Children「抱きしめたい」元ネタ→The Beatles
原由子「ハートせつなく」元ネタ→The Yardbirds

60年代の洋楽の邦題には本当にセンスが良いのが多いので気持ちはとても分かります。
しかし、こういうのは全国的に知名度が高いプロ歌手に許される事であり
私ども素人にはやはりハードルが高いですよね。
パクリと言われてしまっても仕方がありません。

そこで私がよく使うパロディタイトルの基本をお教えします。

まずは

「アイドルマニアの中では有名曲である。」

これをまず年頭において下さい。
あまり知られていない曲だとパロディというかパクリになってしまうので難しいところですが、

「物まね王座決定戦にて星奈々か松居直美に披露されるレベルの知名度」

であればクリアしてるかと思ってもらってよいかと思います。

それでは私が今まで作成したパロディタイトルを抜粋します。

パロディタイトル 元ネタ 歌手
ホワイトデー・キッス バレンタイン・キッス 国生さゆり
ファンサイト ファンレター 岡本舞子
最終回 予告編 守谷香
禁断の嵐、Again 禁断のテレパシー
嵐の素顔
Again
工藤静香
☆虹色片想い☆ ♡桃色片想い♡ 松浦亜弥
ぉね~え? ね~え? 松浦亜弥
くちびるから交差 くちびるから媚薬
黄砂に吹かれて
工藤静香
ガラスの二十代後半 ガラスの十代 光GENJI
Amethystサイクロン Diamondハリケーン 光GENJI
Middle Birthday Little Birthday 光GENJI
リトル☆リアル リトル☆デイト ribbon
Soドンマイ そばにいるね ribbon
キャベツのためいき メロンのためいき 山瀬まみ
黒き薔薇の抄 白き薔薇の抄 春日野八千代先生

 

こんなところでしょうか。
思いのほか多くて自分でもびっくりする上に物まね王座決定戦では間違いなく歌われない曲ばかりなのですが
まぁいいでしょう。

このタイトルからパロディにもいくつかパターンに分けられるかと思います。

①「逆にしちゃう」パターン

個人的に最もすきなパロディです。
「黒き薔薇の抄」「最終回」「ホワイトデー・キッス」などがそれにあたります。
派生ではありますが「Amethystサイクロン」もこれに該当するかなと。
これはそこそこ有名な文句やタイトルを逆にするだけでできるかなり汎用度の高めの技です。

「渡る世間は鬼ばかり」というのもこのパターンですよね。

アイドルソングだったら

俺たちにあるはある SMAP
オトナじゃないの 松本伊代

等が該当しますね。

例えばAKB48の「会いたかった」というタイトルを逆にするならば「会いたくなかった」になるわけです。
我ながらいいですね。実に分かりやすい。虹組の新曲としても即戦力のタイトルでしょう。
くすって笑ってくれるでしょうし。

この「くすって笑ってくれる」というのがパロディではすごく大事です。
早い話「元ネタがわかる前提」になりますので。

よくオマージュ作品とアンサーソングの違いを聞かれるのですが、

その歌ありきでパロディをするのがアンサーソング。

タイトルや歌だけをパロディにしてあくまで曲として独立しているのがオマージュ作品かと個人的には思っています。
その駆け引きが割と難しいので諸刃の剣ではありますが、うまく決まれば本当に傑作になると信じています。

【アンサーソングの例】
(元ネタ)

(アンサーソング)
※リンダ面たいやきがたいやき君をストーキングするというおぞましい内容

②「少し変えてしまう」パターン

アイドルでは

倖せの黄色いティッシュ トミージュン
仮名の告白 杉浦幸
不思議の国のフェアリー・テール フェアリー・テール

等が該当しますね。
私の曲ですと

ガラスの二十代後半
メロンのためいき

でしょうか。

このパターンは基本的に出オチなので失笑される気がします。あまりお勧めしません。
実はこれってアダルトビデオが先駆者なんですよね。
本当に秀逸なパロディタイトルが多いので、正直アイドルソングでやることはあまり意味がない気もします。
ゲイビデオですら数十年前に「淫乱光線・クラッ!」「ポチャ?の嵐」なるビデオが存在していたようですし。

③「とりあえずくっつけろ」パターン

くちびるから交差
禁断の嵐、Again

などがそれにあたります。

このパロディは私以外に行ってる人がいないような気がするのですが、

イメージとしては「20年前のカラオケのメドレーのタイトル」でしょうか。

これは本当に有名歌手でしか出来ない気がしますが、
たとえばキョンキョンなら

渚のはいからアンドローラ

艶姿ナミダ人魚

…やめた方が良いですね。危険です。このパターン。

書いておいてなんですが、やっぱり基本は逆にするパターンが良いかと思います。

私のソロ曲でお蔵入りとなった楽曲で

「地味!!!」

というのがあります。
なぜお蔵入りになったのかわからないほど良タイトルかと思ってるんですが、どうでしょう。

「SOドンマイ」に関しては 元ネタは「そばにいるね」なのですが

そばにいるね→蕎麦

SOドンマイ→饂飩

という、もはや本人の自己満足としか思えないようなパロディになっています。

まぁここまで書いておいて結局は自己満足の世界。
本当にこのカテゴリーならだれにも負ける気がしない!というマニアな方は是非チャレンジしてみてください。

アホの坂田
Mantovani – メキシカン・ハット・ダンス (Mexican Hat Dance)

(キダ・タロー先生に関してはバレなきゃええねんとか思ってそうなのでパロディではないと思ってます。)

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