【作詞講座vol.5】内容を捏造しよう

みなさんこんにちは。田中守です。

さぁ今回はいよいよ歌詞についてのお勉強です。

前回、歌手は彩木美来ちゃん、タイトルは「硝子のグラジオラス」に決まりました。

早速始めましょう。

まずやる事は

タイトルからイメージを膨らませ内容を捏造する。

これです。

我ながら意味がよくわからないタイトルです。
それでも決めてしまったものは仕方ないです。
どうしてこのタイトルになったのかをでっち上げなければいけません。

とりあえずグラジオラスってのは花ですよね。
それが硝子な訳ないです。花なので。


※個人的にはちょっと華美すぎるかなぁ。と。綺麗ですけど。

では何故このタイトルなのでしょう。
考えてみました。

①硝子製のグラジオラスのオブジェだった

…まぁなくはないですよね。amazonで調べたところグラジオラスを持った少女の陶器は販売されてました。
うーん。河口湖のお土産屋あたりに売ってそうなもんですが…。さすがにちょっと無理がありますね。

②硝子のようなグラジオラスだった

これはどうでしょう。とりあえず硝子ってことはキラキラとしているわけですよね。
それなら雨に打たれた後か水やり直後ののグラジオラスだったら輝いてるでしょうから問題ないかと思います。
ただ、夏発売的にはどうでしょうね。それに雨との相性はどうでしょうか。

③硝子越しに見えたグラジオラスだった

どこかの室内で硝子越しに見えたグラジオラスでも良さそうですね。
室内は、自分の部屋なのか、それとも喫茶店なのか、はたまた車窓だったのか。
個人的にはイメージが膨らみます。

まぁこんなところでしょうか。

①でも良いのですが歌詞に登場する固有名詞が現実離れをしていてもいまいち内面を書ききれない気がします。なのでこの場合は②と③の一騎打ちでしょうか。

個人的には③を推したい所ですが、硝子と言えば姫乃樹リカさんがいらっしゃいますよね。
歌詞の内容も「硝子越しのキッスみたい」と物凄いドヤ顔で既に歌ってらっしゃるので怒られそうですよね。

誰に?って姫乃樹リカさんですよ。もちろん。

なので今回は②で行こうかと思います。
雨に濡れたグラジオラスってのもイメージは湧きやすそうですし。

さぁ、ここから内容を考えていきます。

アイドルソングには「恋愛ソング」「メッセージソング」しかないと古くから言われていました。

CoCo「Live Version」はこのどちらでもない初めてのアイドルソングと当時話題になったそうです。

でも私たちは及川眠子先生の足元にも及ばない素人作家。
ここは普通に恋愛メッセージのどちらかに絞って内容を考えていきましょう。

書きやすい方で良いのですが、最初は恋愛ソングが良いかなと思います。

私含め素人作家に誰もメッセージ性は求めてないでしょうしね。

さぁそれでは

今までに出てきた設定を踏まえてさらに内容を捏造しましょう。

この作業のために歌手から発売日からタイアップの有無まで先に考えたわけです。
何もない所からこの作業をすると、また高確率で自分の過去の恋愛をネタにしがちです。

あなたたち、友達の恋愛話なんて聞いてて楽しいですか?

つまんないですよね。

私もです。

それが歌詞として見せられたどうですか?

つまらないどころか軽い殺意まで抱きませんか?

私もです。

なので、私達はその歌手に合った歌詞を作るわけです。
そのための材料としてタイアップの有無等どうでもいい事まで細かく決めたのです。
当然客観的に書きやすくなりますから。

私たちが根本的なテーマにすべき事は「感動ではなく共感」です。
感動を書くことは本当に難しいのですが
共感ならいくらかのテクニックさえ使えばそこそこ得られます。

さてそれでは今回の歌手。彩木美来ちゃんの再登場です。

お嬢様感満載の美少女ですが、当時は19歳。アイドルとしては遅いデビューとなります。
なので初恋をテーマにするよりかは恋人をテーマにしても問題はなさそうですね。
彼氏とうまくいってるのかいっていないのかなのですが
個人的にはうまくいってない方が視聴者の共感を得るかなと思います。

恋愛がうまくいっている

という歌詞は実は結構難しいです。
だってそれこそ「彼氏とうまくいっている恋愛話」なんて一番聞きたくなくないですか?

私もです。

人間の心理として恋愛ってのはうまくいってる時よりもうまくいってない時の方が恨み込みで想い出として残るのです。多分。

少しでも「あーわかる!」と視聴者に言われるためにもここは心を鬼にして美来ちゃんの恋愛は上手くいってない事にしましょう。

彩木美来。19歳。初めての恋人が出来ました。

さて、美来ちゃんが恋人と上手くいってないのは何故でしょうか。

①別れそう。
②別れたばっかり。
③別れて結構立ってやっと落ち着いてきた。
④振られそう。でも好き。
⑤振られたばっかり。でも好き。
⑥振られて結構立ってやっと落ち着いてきた。でも好き!!!

こんなところでしょうか。
やっぱりアイドルですからね。現実世界では一番起こり得そうな「他に好きな人が出来た」というのは避けるべきでしょう。

このパターンだとどう見ても悪者になってしまいますしね。

自分から振るというのがそもそもお嬢様には少しイメージが合ってなさそうな…。

高飛車系お嬢様ではなくて清楚系お嬢様ですからね。


※(参考画像)高飛車お嬢様のパターン。

まぁ本当は自分のせいなのに「何かのせいにする」という荒業もあるのですが、初めてにしてはまだ難しいです。


※(参考画像)四月のせいにする佐野量子さん

一番簡単なのはですかね。人の不幸は蜜の味と言いますし。

実際「彼氏と別れた」系の相談LINEは言われてみれば高確率で返してますね私。

普段は全然返しませんが。

④も歌詞にはしやすいんですが、別れそうという展開も難しいんですよね。
小手先のテクニックを駆使しないとなので。

さぁ⑤と⑥の一騎打ちなのですが、まぁとりあえず後は流れに任せることにしてとりあえず振られた事を歌詞にしてみてみましょう。

まず手始めに振った相手の事を考えてみましょう。
どちらかというと大人びたイメージの美来ちゃんに合いそうな恋人と言えば同年代や年下よりかは年上の彼氏ですかね。

そもそも年下に振られるってのはなんか不愉快です。私なら。

アイドルですから恋愛経験もほとんどない(実際はとかはどうでもいいです。あくまでもパブリックイメージで)でしょうし、ここは年上の彼氏にしましょう。


※(参考画像)二つ年下の男の子に体のラインがでる小さ目のセーターを着る生稲晃子さん。

彩木美来。19歳。初めての恋人が出来ました。
でも突然振られてしまいました。理由は分かりません。

私は本気だったのに…。

いいですね。共感も得られそうです。

でもそもそも美来ちゃんが好きになるタイプってどんな人なんでしょう?考えてみます。
彼女自身のイメージが内気で清楚なのでここは対になるべき存在はどうでしょう。
「明るく無邪気な彼」というのはどうでしょう。
不良みたいな相手でも良いのですが、ちょっとそれだと少女漫画の世界感に近すぎますよね。
設定が細かすぎると少女漫画ぽくなってしまい「他人の恋愛を見てる」感じが強くなってしまいます。
それだと共感からは遠ざかってしまうので注意が必要です。

アイドルソングを聞いてる人なんて私を含め「内気という名のコミュ障」が過半数を占めているでしょうし、そういう人が真逆のタイプを好きになる事はよくありそうです。
やっぱり彼氏の設定は「明るくて無邪気なキャラ」こっちで行きましょう。

この設定に強引に硝子のグラジオラスを登場させましょう。

そもそもこの設定自体が「タイトルありき」なので、やや強引な登場の仕方でもちぐはぐしないはずです。

とりあえず、タイトルの意味は「濡れているグラジオラス」な訳ですよね。

「雨に濡れたグラジオラスを彼女がどこかで目撃した」というのが一番素直な展開だと思います。

水やりで濡れていた設定でもいいのですが、どうもそれだとイメージがすくすく育つ感じになってしまうので雨の方がらしいですよね。振られたんだし。

でも雨が降っている最中はそこまでキラキラとしているわけではないので「雨上がり」ですかね。
夏なので「夕立」でしょうおそらく。

さて彼女はグラジオラスを一体どこで目撃したのでしょうか。

部屋なのか屋外なのかそれともどこかの喫茶店なのか。

室内ですと先ほどの「硝子越しにグラジオラス見る」という事になってしまうので、硝子の二重使い」になってしまいます。
それだとせっかく捏造した「硝子のようにキラキラと輝くグラジオラス」の設定が弱くなってしまいます。
ここは外で行きたい所。

夕立でどこかで雨宿りをしていた美来ちゃん。雨上がりに道を歩いているとキラキラと輝くグラジオラスを発見。

あぁ、いいですね。それなりに情景も浮かびますし。
あとはそのグラジオラスと彼女の気持ちを無理やり同じにしてしまえば楽勝ですね。

まるで硝子のようにキラキラと輝いているけど、涙みたいに見えるわ。まるで今の私のよう。
でも、このグラジオラス雨に打たれてもこんなに健気に咲いているじゃない…・
私も強くならなくちゃ…。

どうでしょうか。まとめてみましょう。

彩木美来。19歳。初めての恋人が出来ました。
内気な私には不似合いな明るくてお調子者の彼氏です。
彼の冗談にもはにかむのが精一杯だったけど、好きでした。
でも振られてしまいました。理由はよくわかりません。

今日は久しぶりの外出。もちろん独りぼっちです。。
突然の夕立に雨宿りをしていたら、余計に一人でいるって実感してしまいます。
こんな時にあなたがいたら、きっとずっと隣で冗談を言ってくれてたはずだもの。

雨上がりに街を歩いていると綺麗なグラジオラスが咲いていました。
キラキラと輝いてまるで硝子のようにきれい。
でも、涙のようにも見えます。まるで私の今の気持ちの様…。

でも、この花は強い雨に打たれてもこんなにけなげに咲き誇ってるじゃない。
私も強くならないと。

でもまだ好き!!!

いい感じですね。内容ができました。。
これを歌詞にしていくのですが、長くなってしまったのでまた次回ですね。

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